【宿泊記】ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 仙石原
先日「ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 仙石原」に宿泊してきました。
「ひらまつ」は1982年に東京広尾に開業した日本を代表するフレンチレストランを起源としています。
ポールボキューズを師と仰ぐフレンチガストロノミースタイルで日本のみならずパリにも出店し、近年はウェディング・ホテル事業にも進出。
今年の新型コロナ騒動で経営は大打撃を受けたそうですが、一体どんなものなのかと興味もあり、泊まってみることにしました。
本館とレジデンス棟合わせて僅か20室のスモールラグジュアリーホテルですが、その中でも最上級のエグゼクティブスイートはたった一部屋。
普段はどうか分かりませんが、現在は月に1,2日しか空きがないこの部屋が都合良く空いていたのは正直かなりラッキーでした。
(結論から申し上げると200k弱で泊まれるなら寧ろお得では...?という大満足な滞在でした)
チェックイン日はあいにくの曇り空。
仙石原のすすき平原を抜け、小高い丘の上に立つホテルの前まで向かいます。
この写真は翌日チェックアウト後に撮影したものです。建物奥に駐車場があります。
すかさずホテルスタッフに荷物を預かっていただき、エントランスへ。
チェックインはこちらのラウンジで。
宿泊客以外でもお食事利用ができるのはひらまつの中でも仙石原は珍しいのですが、
その場合は宿泊客とは別のこのラウンジでいただくことになります。
チェックイン15時を皆さんきちんと守っているようで、(席はかなり離れていますが)他のゲストの顔を一目見る機会となりました。
パートナーの言葉として「アマンやリッツ・カールトンに比べて皆お金持ちそう...」とのことでした。
実際そうなのかはともかく、確かに皆さんしっかりとしたレストランでディナーをいただくということでラフな格好の方が殆ど見当たらないな、という印象を抱きました。
ウェルカムドリンクはこちらのアランミリアのジュースから選ばせてくれました。
僕はアプリコット、パートナーはマンダリンのジュースをいただき、旅路のどの渇きを潤しました。
ひらまつの特徴的なシーンとして、チェックイン時に夕食のメニューを1度渡され、
食材の苦手やアレルギーについての確認があります。
勿論、インターネット上で予約時に伝えることもできますが(実際伝わってました)
実際メニューを渡されて「あっ、これも嫌だな...」ということもあるかと思いますし、
苦手食材が多い方は全て伝えるのを臆するという方もいるでしょう。
この場合だと、必要最小限の確実な確認ができるのでとっても有難く感じました。
その後はありきたりなチェックイン手続きを終え、お部屋まで案内していただきます。
ホテル棟は3階建てで最上級のエグゼクティブスイートは3回の中央に位置します。
最上級といっても広さは100平米もないのですが、何といっても部屋の位置が最高なんです。
部屋の玄関は防音や防寒の為、二重になっていました。
こうしてみると隣のスーペリアはやや狭く見えてしましますが、実際には49平米あるそうです。
今回のお部屋は勿論304です。
扉を開け、右にウォークインクローゼット、左にトイレの玄関を抜けるとそこにはバスルームの奥まで見通せる開放的なお部屋が!
改めて見ると、リビングとベッドルームが同じ部屋にあるので仕様としてはジュニアスイートっぽいですね(笑)
ま、それはさほど大事な話ではないと思うので早速お部屋を見てみましょう~
入って右、ソファーセットの手間にはミニバーコーナー。
このホテルはミニバーアイテムは有難いことに、冷蔵庫の中身含めてすべて無料です。
水は冷蔵庫の中身と合わせて6本入っていました。
茶器はリチャード・ジノリ
令倉庫の中身はペリエ・瓶ビール・アランミリアのジュースがそれぞれ2本。
ジュースは白ブドウとクランベリーでした。
続いて反対側、ベッドの手前には小さなワークデスクが。
パートナーが主にここで勉強していました。
ベッドは包み込むような柔らかいタイプでした。
ベッドフレームが重くないので簡単に動かせてしまいます、あまり激しく動かすのには向いていません...(笑)
こちらの品の良いソファーセット。
目の前にテレビがないのがリゾートホテルらしくていいですね。
壁に飾られているのはマルク・シャガールの絵ですね。
こちらの収納棚にはいくつか面白そうな本が。
温泉三昧だったので自分の本を消化するのに手いっぱいでした。。
ローテーブルの上にはウェルカムスイーツが。
こちら、目を離した隙に全て彼女に食べられていました。。。
その犯行、一瞬なりて目撃すること叶わず。
しかし僕にとってスイーツなど些細な話。
この部屋のお目当てはやはりこの洗練されたバスルームに他なりません。
曇っていてもこれですよ。。。(最後に晴れている時の写真も載せています)
バスルームの片側には洗面台とシャワーブース。
シャワーブースはゆとりのある広さです。
逆側にも洗面台と、
バスローブやタオル類が置いてある脱衣所?のようなスペース。
洗面台にはこのようなオリジナルアメニティが各1セット入っています。
ブルガリのバスアメニティも1セットずつ、両側にセットされています。
脱衣所にはアンカーのスピーカーと檜のリボンが。
檜リボンはどのようなものかといいますと、、、
こうやって温泉に浮かべるとこで、視覚的にも、嗅覚でも楽しめる素敵なアイテムなんです。
バスローブは正直普通ですね。
肝心のバスタブ自体はというと、幅は大人二人が並んで入れる程度、
長さは成人男性が足を延ばしても少しゆとりがあるサイズといえば何となく想像していただけるでしょうか。
さほど大きいわけではないですが、窮屈に感じることはないはずです。
バスルームの先には小さいバルコニーがあるので夏は湯汲み後にビールを飲みながら涼む、なんて使い方もよさそうです。
因みにですが、バスルームはベッドルーム側とも、バルコニー側とも完全に扉で開閉することができます。外気と温泉による温度や湿気の調整をするのに便利でした。
続いては、貸切露天風呂の紹介です。
このホテルには2つの貸切露天風呂があり、宿泊者限定で時間を予約の上、無料で利用することができます。
新姥子温泉の源泉かけ流し、という点ではお部屋の温泉と変わりませんが、
貸切露天風呂は広さが2~3倍くらいあるので家族で入浴する場面として重宝しそうです。
貸切露天風呂には洗面台や洗い場が2つずつ、脱衣所は4人分あり、
タオルや水、雨傘、化粧水や洗顔、シャンプー類などが揃っています。
洗顔、クレンジング、化粧水、乳液はLEAF&BOTANICSで揃っています。
シャンプー類はブルガリではなくTHEMAE。レジデンス棟のアメニティと同一です。
肝心の浴場はこんな感じで、、、
水盤から緑の中にせり出した露天風呂は非常に良い雰囲気でしたね。。。
利用時間は各回40分なのですが、それが圧倒的に短く感じてしまう程素晴らしいお風呂でした。。。
お部屋に戻って身支度を整えるとすぐにディナーの時間になりました。
1階にあるレストランはグランメゾン、とまではいかないかもしれませんが
落ち着きと優雅な空気が漂う素敵な空間でした。
17時半から20時まで開始時間を選べますが、基本的に宿泊部屋によって席が決められているようでした。夜も朝も、同じ席に同じゲストの方々を見かけました。
今回はスタンダードなコースを予約。
先に申し上げますと、スタンダードなコースでも大満足です。。。
(溜池山王のピエールガニエールや六本木のアジュール45より個人的には↑でした)
下のメニューの中で僕が何を変更してもらったかは、、、トップシークレットでお願いします(笑)
ひらまつオリジナルラベルのグラスシャンパンから始まったディナー。
以下、味音痴なりに簡単に感想を。。。
アミューズブッシュはこの飾りの中のフィンガーフード。
トマトもコロッケもいつも食べるものとは全然違いますね(当たり前)
そこにカラスミのリゾットが来て既にテーブルが豪華に。
スパイスの煙の演出と共に、その先のコース料理への期待が非常に高まります。。
次に白トリュフが登場し、、、
海老芋の上にたっぷりと削っていただきました。
そりゃ美味しいですよ、、、香りも堪りません。
続いては2種のパスタ。うん?...2種...?
朴歯の下にちゃんと隠れてましたよ!
このタイミングでエルダーフラワーリキュールのノンアルコールカクテルと
グラスワインを追加しました。
魚料理はキンメダイにイクラ、酸味の抜けた梅干を添えたもの。
これなら梅干し嫌いでもいけるかも?という感想のすっきりした味わいでした。
お肉料理は小鳩のロースト。焼き加減が最高でしたね。
デザートの前にチーズを。
追加料金ですが、この中から好きなものを選択できます。
全て丁寧に説明してくださるので、初心者にもありがたかったです。
おそるおそる3種類頼んでみましたが、美味しいこと!!!
確かに本格的で、口に入れた瞬間を強烈なうまみと共にチーズ特有の臭みや酸味を感じますが丁寧に味わっているとあっという間に喉奥へ消えています。
しかもその後味たるやさっぱりしたもので、思わず次のチーズに手が伸びてしまいました。
あと3種類は行けたかも、、、なんて素人なりに賛辞を述べてしまいました(笑)
デザートはそれほど語ることがありませんが、すっきりした口の中に適度な甘味を迎え入れる瞬間はやはり幸せですね。
そして、これが肉料理の直後かチーズを挟んだ後かでは、感じ方が違うとも思います。
僕はハーブティと、彼女はコーヒーと共に茶菓子をいただきました。
全て丁寧でくどすぎない、素敵な余韻を残すディナーとなりました。
部屋に戻った後は再び温泉三昧。
日中のような景色は望めませんが、静寂に包まれた箱根の自然と向き合う夜は幸せそのものでした。
ふとバルコニーから下を見ると、レストランから見える水盤に照らされた木々が幻想的に映っているではありませんか。
過度に手を加えずとも、これまた美しい絵画のようなシーンでした。
温泉とふかふかのベッドに包まれると自然と眠気に襲われますが、
ジノリの茶器でコーヒーをいただき、もう少し長くこの幸せな夜を堪能することにしました。
翌朝
おはようございます、という言葉を発するより先におぼつかない足取りで温泉に入りました。
昨日の曇り空とは一転、朝から晴れた空には太陽に照らされた富士山が眩しそうに顔を出していました。
思えば僕は都心のホテルのビューバスも好みますが、
やはりその煌びやかな光景が同時に働いている多くの人々の存在によってのみ成り立つことにやや複雑な思いを感じることがあります。
早朝でも深夜でも、一生懸命働いている方々を眼下に、勝手にうしろめたさを感じることも。
対してこのホテルでは温泉から見えるのはちょうどいい自然です。
琵琶湖でもグランドキャニオンでもなく、
富士山が少し見えるだけですが、それが束の間の心の洗濯にはちょうど良いのです。
この時間だけは浴室の照明も落とし、スマホの使用も控えめに、
ただ目の前の雄大な自然との対話、そして温泉を味わうことに集中することができました。
この瞬間は一見何でもないように見えて、とても贅沢な時間だったと感じます。
普段より何倍もすっきりとした朝は自然と食欲も増すものです。
昨晩と同じく、1階のレストランへ向かいます。
昨日と同じ面々を確認しながらの朝食は2種のジュースから。
朝にしぼりたてのオレンジジュースと、ひらまつ特製のトマトジュースです。
パンはさすがといった出来。味、大きさといいとっても食べやすかったです。
続いて紫白菜のバーニャカウダ。意外と豪快な一品にびっくりです(笑)
牛タンのスープはチーズが良いアクセントに。
野菜と茸のパイ包みは繊細で上品な、フレンチらしい一品。
スープパスタはトリュフが入っており、良い香りです。
朝晩とパスタが出てくるのはやはりシェフである吉越謙二郎さんがひらまつのイタリアンを牽引してきた人物だからでしょうか。
オーセンティックなフレンチではないですがそのお味は素晴らしかったです。
いつもと同じように食後には珈琲をいただき。
最後にデザートのレモンのグラニテとヨーグルトのさっぱりとした2品。
夜とは打って変わって、朝食は演出も味の濃さもやや控えめにして、すっきりとした内容になっています。
お部屋に戻り温泉を楽しんだりしていると、あっという間に帰らなければいけない時間になってしまいました。
最後に晴れたバスルームからの素敵な情景を写真に収め、チェックアウトしました。
嬉しいことに帰りにお土産まで。
ホテルオリジナルのブラウニーとドライフルーツがふんだんに使われたパウンドケーキです。
ホテルを出るとゆっくりと現実世界に引き戻されます。
あの空間にまた帰りたい、そう思いながら仙石原のすすき平原を横に走り抜け、
箱根の山を後にしました。
フォロワー様に教えていただいた、ひらまつオリジナルのぶどうジュースを次回必ずいただこうと胸に決めて。